■ハワイ島の自然と歴史が育むアイカネのカウコーヒー
 カウコーヒーは、ハワイ島の最南端カウ地区でのみ栽培される日本でほとんど流通していない希少なスペシャルティコーヒーです。チョコレートのような風味とも称され、酸味と苦味も少なく甘みすら感じるマイルドで上品な味わいが特徴。
 アイカネプランテーションのコーヒーは、ハワイ州政府からカウ地区で初めて品質認定を受けたカウ地区で一番古い歴史をもつコーヒー農園です。

 スペシャルティコーヒー「Specialty Coffee」とは、サンフランシスコにあるKnutsen Coffee 会社のオーナー エルナ・Erna Knutsen女史が1974年にTea & Coffee Trade Journalの記事にSpecialty Coffeeの言葉を使い、さらに1978年に、フランス、モントリオールで開催された国際会議でのスピーチにこの言葉を使ったのが始まりだといわれています。彼女は、アメリカのスペシャルティコーヒー協会〔Coffee Association of America:略称SCAA〕は、コーヒーを100点満点で採点する評価基準を設定し、カップの結果80点以上の点数を獲得したコーヒー豆を Specialty Coffeeと呼んでいます。現在、世界にいくつかありますスペシャルティコーヒー協会の多くは、このSCAAの評価基準に準じた評価を行っています。

 Specialty Coffeeは、1本の苗木からコーヒーに適した、類稀な気候風土の中で育てられ、さらに収穫からカップに至るすべての工程で細心の注意を払った一貫した管理体制の中で製品化されています。コーヒーの生産に従事している全ての人々の努力により、私たちは年々優れたコーヒー豆を手に入れることが出来るようになり、アメリカでは25年前には、1%に満たなかったスペシャルティコーヒーが現在では20%に増加しています。日本も同様に増え続けて、世界第4位のスペシャルティコーヒー消費国になっています。
 世界的には、インターナショナルなスペシャルティコーヒー協会が設立され協会間の交流も盛んになっていますが、スペシャルティコーヒーの大事な要素である特別の風味特性、喉越しに残る自然の甘さと酸味を持ち、飲むすべての方々から美味しいコーヒーという評価が得られるコーヒーをスペシャルティコーヒーとする基準作りが、各国協会の共通課題となっています。

■カウ・コーヒーについて
 アメリカ合衆国で唯一、気候的にコーヒーの栽培が可能な(いわゆる、コーヒーベルトに属している)ハワイ州では、カウアイ島、オアフ島、マウイ島、モロカイ島、ハワイ島(通称ビッグアイランドと呼ばれている)でコーヒーを栽培しています。

 中でもハワイ島(特にコナ・コーヒー)はその歴史が古く、世界的にも有名なブランドになっています。コナ地区には約700件のコーヒー農家があ り、日本の UCC、ドトールの農園もあります。最近では個人で農地を購入し、コーヒー栽培をする日本人も現れています。平均的なコナ地区のひとつの コーヒー農園の規模は約5エーカー(約6000坪)です。

 ハワイ産のコーヒーは、その地区、島の名前を総称として使っています。コナ・コーヒーは、ハワイ島のコナ地区で栽培されているのでコナ・コーヒーと呼ばれ、マウイ島で栽培されたコーヒー豆はマウイ・コーヒーと呼ばれます。ハワイ島では5地区でコーヒーが栽培されているので地域名が使われ、コナ・コーヒーはハワイ島西部、マウナ・ロア山という4000m級の西側斜面に農園が広がってます。同じ山の東南側斜面に広がっているのが、Ka'u Coffee (カウ・コーヒー)です。

 同じ山の西側と東側で栽培されているコーヒー豆ですがその味には違いがあり、コナ・コーヒーは酸味やフルーティーさが際立ったテイストが特徴となっているのに対し、カウ・コーヒーは酸味が控えめでやわらかなフルーティーさとふくよかな甘みが特徴になっています。飲めばその違いがすぐに分かります。独特の香りとその非常に滑らかな味のため、ミルクや砂糖なしで飲めるコーヒーと言われています。

 コナ・コーヒーが栽培されているコナ地区は、新しい溶岩質の黒土の土壌でコーヒーを栽培しているのに対し、カウ地区は70年ほど前からサトウキビ栽培をしていた古い土地だった事から、溶岩ベースの土が少なく肥料が馴染んだ赤土の肥えた土壌で栽培されています。また、同じ山の斜面で育てられているコーヒー豆なのですが、土壌の違いだけでなく気候も違っていることからそれが味の違いに現れています。

 米国FDAの基準で10%以上の原産コーヒーを使用していれば産地の名称を謳う事が出来るとなっていることから、コナ地区では100%のコナ・コーヒーよりも「コナ・ブレンド」と称するハワイ以外のコーヒーを混ぜ合わせたブレンド・コーヒーが多く出荷されています。それに比べ、カウ・コーヒーは農家の殆どが100%のものだけを出荷しています。

 米本土で行わているThe Specialty Coffee Association of America(SCAA:米国スペシャルティコーヒー協会)主催の全世界レベルのコンペティションにおいて 2007年から2012年の6年間カウ・コーヒーはトップ10に入っており、有名なコナ・コーヒーを抜いてスペシャリティ・コーヒーとしてその地位が認められ、コナコーヒーと肩を並べ名実ともにハワイ産No.1コーヒーブランドとなっています。700件ほどあると言われるコナ地区のコーヒー生産者に対し、60ほどの生産者が栽培するカウ・コーヒーは、その上質さとともに希少価値の高いコーヒーと言えます。昨今では、スターバックス リザーブでもカウコーヒーが取り扱われています。

■カウ・コーヒーの歴史
 ハワイにコーヒーが伝わったのは1813年の事です。コナ地区で日本人移民の手でコーヒー栽培が始まってから間もない1894年にJ.C. Searle(現アイカネプランテーション農園主の曾祖父) によりカウ・コーヒー栽培が始まりました。ブラジルから持ち込まれたアラビカ種コーヒーの木を初めてカウ地区に植えコーヒー農園を作ったのが始まりです。当時のカウ地区はサトウキビ栽培が盛んだった時代ですが、彼はそこにコーヒー豆の商業栽培の道を開こうとしました。しかし、彼の熱意は当時の人達に受け入れられず栽培はじり貧になっていき目的は達成されませんでした。

 1996年、カウ地区でのサトウキビ栽培が終わると同時にカウ・コーヒーの商業栽培が復活しました。復活させた農園のひとつが現在のアイカネプランテーション農園です。アイカネプランテーション農園の敷地内には、曾祖父の時代に植えたコーヒーの木が現在も残っていて、当時、その木から派生した苗木を近隣農園にも分けてカウコーヒーの本格的な栽培が始まりました。

 カウ地区でコーヒー農園を営む農家は家族経営型の小規模農園が殆どで、5~15エーカー規模の各農園が収穫したコーヒー豆をハワイ島内(特にコナのコーヒー農園が買い取り、コナ・コーヒー豆と混ぜて販売していました)で細々と販売していたのでつい10年ほど前まではその存在すら知られていませんでした。

 公の席でカウコーヒーが世の中に始めて紹介されたのが、オバマ前大統領が始めてアメリカ大統領に当選した際の大統領就任式晩餐会で出身地のハワイ産コーヒーとして招待客に供与したことでした。これまでカウ・コーヒーは数々の賞に輝きその評価は高まってきています。2007年にThe Specialty Coffee Association of America (SCAA)が毎年、米本土で開催するコンテストに始めてカウ農家がコーヒーを出品し、堂々、6位と9位に2つの農園が同時に選ばれ入賞に輝きました。その後、、2008年10位、2009年7位、2010年4位、2011年10位、2012年 6、9,10位と出品する度にトップ・ランクに入っています(2013年度以降、カッピングコンテストは行われてません)。ハワイ諸島の各産地からもエントリーをしていますが、トップ10に入った実績を持つのはカウ・コーヒーだけです。カウ・コーヒーは、幻のコーヒーとして業界では名実ともにアメリカを代表するコーヒー産地としてその名を知られるようになりましたが、一般市場では依然としてコナ・コーヒーの知名度が勝っているのが現状です。

■カウ・コーヒーの実績と評価
 2007年に開催れた全米スペシャルティーコーヒー協会主催のコンペティションで、カウ・コーヒーの2つの農園がトップ10に入り、コナ・コーヒーは入賞すらできなかったと、地元紙で取り上げられました。

 2009年1月、カウ・コーヒーはバラク・オバマ大統領の就任を祝って、ホワイトハウスの向かいにある有名なヘイアダムスホテルのお祭りで紹介され、招待客に供されました。

 2009年4月に米本土で開催された、全米スペシャルティーコーヒー協会主催のコンペティションでカウ・コーヒーが第7位を受賞。2年連続でカウ・コーヒーがトップ10内に入る。

 2010年4月に米本土で開催された、第22回全米スペシャルティコーヒー協会(Specialty Coffee Association of America:SCAA)主催カッピングコンペティションで9位に入賞。Specialty Coffee Of The Year 2010部門では堂々の1位を受賞。 ハワイからは、カウ・コーヒーのみが受賞しました。このコンペティションには全世界から134農家のエントリーがあり、一旦、84点以上のスコア-をマークした74農園が第一次審査を通過し、87.563点をマークしたカウ・コーヒー農園がトップに選ばれました。ちなみに、残った74農園のうち10農園がハワイのコーヒー農園でしたが、そのうち6農園はカウの農園でした。SCAAでは、80点以上のスコアーを獲得したコーヒーをスペシャリティ・コーヒーと認定しています。

 2010年7月にハワイ島コナで開催された、ハワイ・コーヒー・アソシエーション主催の第2回州大会で、カウ・コーヒーの農園がグランド・チャンピオンに輝きました。第2位はマウイ島のコーヒー農園、第3位もカウ・コーヒー農園でした。トップ10に残ったコーヒーは、味、アロマ、口当たり、酸味、甘み、後味などにより、ハワイ在住ではない審査員たちの採点されました。 第1位に輝いたカウ・コーヒーは、最近ヨーロッパのスペシャルティ・コーヒー・アソシエーションにより、2010年の「最も際立った生産者」に選ばれています。

 2012年に米本土で開催された、第24回全米スペシャルティコーヒー協会(Specialty Coffee Association of America:SCAA)主催カッピングコンペティションでは、カウ地区の3農家がトップ10のなかに入るという快挙を達成し、その注目度は急速に上がりました。この年の秋には、スターバックスが世界各地で特選コーヒーとしてカウコーヒーの販売を始め、元々少量しか収穫がない希少さが受けたのか売り切れ続出の状態が続きました。

長年続いているコナ・コーヒー・フェスティバルは有名ですが、最近はカウ・コーヒーの名前も知られるようになり、日本からもこのコーヒー祭りを見に来る人が増えています。
毎回、金曜日は「アイカネ・デー」と称し、アイカネプランテーション農園ツアーとバーベキューが行われています。

■アイカネ・プランテーション・コーヒー農園
 アイカネ・プランテーション・コーヒー農園は、現オーナー(奥さん)の曾祖父の時代(1890年代)にブラジルから持ちこんだコーヒーの木をカ ウ地区で最初に植樹した事に始まります。従って、同農園は、現カウ・コーヒーのルーツと言えます。カウ地区にあるコーヒー農園(現状では60農家)の約9割は、アイカネ・プランテーション・コーヒー農園からコーヒーの木を分けてもらって栽培 を始めたので、カウ地区の9割のコーヒーはアイカネ・プランテーション・コーヒーの木と「兄弟の木」と言えます。

 アイカネ・プランテーション・コーヒー農園は、150エーカーの土地の約2割のスペースでコーヒー(12,000本 2017年1月現在 今も増やしています)を栽培し、土地の大部分で牛、馬の飼育、プロテアという特有の花の栽培などをしています。この規模はカウ地区でも5本の指に入るほどの規模です。

 アイカネ・プランテーション・コーヒー農園は、カウ地区で初めてハワイ州農業局からその品質を認定(シール・オブ・クオリティー: Seal ofQuality)されたコーヒー農園です。

■AIKANE PLANTATION COFFEE の歴史とそのこだわり
 アイカネ・プランテーション・コーヒーは、ベッカー夫妻によりカウ地区の雄大なマウナロア山の斜面で、豊かな風味を持つカウ・コーヒーを栽培しています。J.C. Searle(マール・ベッカー夫人の曽祖父)が、1894年に現在の農園内に最初のコーヒーの木を植えたのが始まりで、その後100年以上経過した現在、ベッカー夫妻がその貴重なコーヒーの木を守るべく、アイカネ・プランテーション・コーヒー社を設立してコーヒー栽培を続けています。農園では、昔ながらの手法でコーヒーチェリーは全て手摘みをしています(機械を使ウ場合との大きな違いは、コーヒー豆に傷がつかず、完熟したチェリーのみを手積みするので品質が安定します)。手摘みした後のコーヒーチェリーは完全に高圧洗浄され(Washed: ウォッシュドと呼ばれます)、太陽の恵みの元で自然乾燥した後、ミディアム・ダーク・ローストで焙煎工程を経てパッケージされ新鮮さを保った状態で出荷されています。

 同農園では農薬を一切使わず、堆肥、コーヒー、パルプ、マカデミアナッツの殻など有機肥料栽培を貫き(有機栽培)、太陽電池を利用した発電システムで得た電気を使い、雨水を貯めたものを農業用水として利用していますので、アイカネ・プランテーション・コーヒーは、とても自然に優しい状態でコーヒーの栽培をしています。

 コナ地区やカウ地区にある他の農園の殆どが農園同士が隣接した中でコーヒー栽培をしているため、害虫被害など簡単に広がってしまう環境にあります。数年前、コナ地区から発生したアフリカから持ち込まれた害虫によるコーヒー被害は大きな問題になりました。現在でも派生したマウイ島、オアフ島で害虫駆除が続いています。当然のことのようにカウ地区にも害虫が人を介して入り込んだんですが、アイカネ・プランテーション・コーヒー農園は周囲に隣接する農園ガなく、カウのコーヒー農園が集まっている地区からも数キロ離れた場所にポツンと位置しているため、害虫被害をほとんど受けずに済みました。こうした位置関係からもアイカネ・プランテーション・コーヒー農園が真のオールド・カウ・コーヒーだと言えます。1894年にJ.C.Searle(曽祖父)が植えたコーヒーの木を一族で守り続け、希少なコーヒーの品質に拘って最高の品質を維持している現在のアイカネ・プランテーション・コーヒーになったことを農園主のベッカー夫妻は誇りにしています。

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